読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

オートバイを買ったことで得られたもの



それどこ大賞「買い物」
それどこ大賞「買い物」バナー

f:id:odryu:20161016141435j:plain

買い物。これまでの人生で最も値の張った買い物といえば現在所有しているオートバイか。込み込みで約40万円ほど。とはいえ新車で買ったわけでもないし、もっと値段の高いオートバイなんていくらでもある。
「最も値が張る」なんて言うと少し大げさというか、知人がローンで車を買ったり家を建てたりしているのに比べるとスケールが小さいのかもしれないけれど、それでも、これまで大きな買い物をほとんどしたことがなく貧乏性気質な自分にとっては、大きな買い物だったことは間違いない。なにせ実用性だけを考えるとオートバイを買う理由ってほとんどない。車のように空調機能もなければ雨風も凌げない。人や荷物もあまり載らない。実用性だけを考えるとちっとも快適な乗り物ではないのだ。せいぜい渋滞にはまりにくいということくらいだろうか。

では実際に買うとき値段を比較して買うべきかどうか逡巡したかというと、そんなこともなく勢いでポンっと買ってしまった。高価なものを買うときなんてのは意外とそんなものなのかもしれない。ちょっと麻痺しているというか。普段はコンビニで100円のおにぎり買うか140円のおにぎり買うかでさえ迷うというのに。

オートバイを買ったきっかけは、当時仕事でもプライベートでもいろいろ行き詰まっていて、趣味を1つ持つと何かが変わるかもしれないという安易な考えからだった。普通自動二輪の免許も持っていなかったから、休日を利用して免許を取るところからスタートした。教習所に通う前は、買うとしたらアメリカンタイプが好いかな、なんて漠然と考えていたけど、教習が進むにつれて人車一体感のあるネイキッドに心が移っていった。というわけでホンダのVTRという車種を選択した。前評判通り、パワーもそこそこに、軽くて扱いやすくよく曲がり、乗り心地のよいオートバイだった。
社会人になってからというもの、僕には「これが自分の趣味です」と言えるものがずっとなかった。休日も自宅でダラダラ過ごしてしまうことが多かった。でも、免許を取ってオートバイに乗るようになって「ツーリングが趣味」だと言えるようになった。言えるようになっただけじゃなく、実際に趣味になっているのかもしれない。職場でもオートバイが好きで昔乗っていたという人が多く、オートバイが会話の潤滑油にもなってくれている。

当たり前なのかもしれないけどオートバイを買ったばかりの頃は、なんでもいいからとにかく乗って走りたくなる。どうせ乗るからには目的地があった方が楽しい。目的地を見つけるためにどんなツーリングスポットがあるのか聞いたり、調べてみる。そして、調べたところに実際に行ってみる。そこにはそれまでの自分が知らなかった見たことのない景色が広がっていたりする。

それはオートバイを買う前の自分では得られなかったものだ。そうした美しい景色があることを知ろうともしなかっただろうし、知らないから行ってみようともしなかったことだろう。オートバイを買ったからこそ、いろんな景色を目にすることができた。Googleアースから眺めるのと実際に行って目にするのでは、やはり臨場感に大きな隔たりがある。実際に足を運んでみることでしか得られない情報や出会いがある。

だからといって、値段分の元が取れたとかっていう無粋な結論に落とし込みたいわけではない。結局のところ、値段に対する物やサービスの「価値」なんてのは個々人の心によって違うものだと思う。この世界にはいろんなものに値段がついているけれど、実際に買って使ってみないと価値がよくわからないものってたくさんある。それが僕にとってはオートバイだったというだけだ。これからもまだ見たことのない景色に出会うために、少しでも長くこの面白い乗り物に乗っていたい。そして、そこで見てきたものをこのブログで記述していけたらと思っている。